
Perfect Romance
第7章 離したくない
にのはどうなんだろ?
そんな事は思わないのかな
恋愛感情として「好き」なら
…一般の成人男子なら
触れたい、とか思わない?
それとも
同性だから
「恋愛対象」でも「性」には結び付かないとか?
いやいや、でもチューはにのからだし
大事にしたい
焦るな
…頭では分かってるんだよ
でもいざ目の前にして、笑顔なんか見てたらさ
我慢するにも限界ってものもあるんだってば
「じゃあね」
にののアパートの前
いつものように車を止めて、降りようとしたにのの腕を掴んだ
「なに…?」
途端に怪訝そうな顔をするにの
「好きだよ」
囁くように言えば
「うん…」
なんて毎回顔を赤くして照れる
だけど、今日は掴んだ腕を離さない俺に
にのの表情が歪んだ
「離して?帰るから」
腕を引き剥がそうと、少しもがくような仕草
「…やだ、って言ったら?」
「え、…」
にのの目が、怯えを見せた
