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Perfect Romance

第7章 離したくない



「ごめんね、相葉さん」
頬に触れる手に、にののそれが重ねられた

「また、不安にさせちゃったみたいだね」
にのがふわり、と少し困ったように微笑む

その顔はとても儚げで
だけどとても綺麗で


「俺こそ…ごめん」
にのの目尻に溜まり始めた雫を親指で拭った



まるで初めての恋愛みたいだ
遠回りして、勝手に悪い方に思い込んで

お互い「好き」って伝えたのに
どこかで遠慮して



「にの……」
「いいよ?」

「え?」



「…キス、していいよ」
耳まで赤くしたにのが、目を逸らしながら小さく囁いた

して " いいよ " って、にのらしい照れ隠し


そのくせ、ちょっと震えちゃって
唇噛み締めて


こんな可愛い人、離すわけないよ

離したく、ないに決まってる



頬に置いた手に、少しだけ力を入れて
にのの顔を上向かせた

顔を近付けると、ギュッと固く目を瞑る



「ありがとう…」
唇に触れる程の近さで囁いてから

にのの唇に自分のそれを重ね合わせた





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