
Perfect Romance
第7章 離したくない
一応俺だって、分別はつく大人のつもりだ
にのの悲痛な声に、それ以上強引にはせずに
体を少しだけ離した
…でも、逃げないようにドアロックはしたけどね
「好きなら…キスしたくならない?」
涙目になったにのを見つめる
「…したい、よ?」
「じゃあ何で…」
「ごめん、俺の問題なの」
「え?」
にのはゆっくりと俺の体を押して離してから
シートに座り直した
「昔、色々あってさ…まだ、忘れられてないんだよ」
小さく溜め息を吐く
「何が…あったの?」
フロントガラスの外を遠巻きに見る目が、辛そうに細められる
「ん…ごめん、それはまだ待って」
それ以上は聞くな、と俺に向けられた目が語った
「俺が、怖い…?」
そっと頬に触れてみる
…今度はそのまま受け入れてくれた
「そう、だよね」
独り言みたいに、にのが呟く
「…相葉さんは、あいつらとは違うんだよね」
俺はにのが綴る言葉を、ただじっと待った
余計な事は、言っちゃいけないと思うから
