キラキラ
第4章 タイセツ
『いいね、それ』
すごく、翔くんにピッタリだと、そういう意味でかけた言葉だったのに、翔くんは、ちょっと考えてそのバングルを俺に差し出した。
『気に入ったんならやるよ』
『……え?』
『誕生日。今年はまだなにもあげてなかったろ。』
『いや、そういうつもりじゃ……』
翔くんは、にこりとして、俺の手をとり、手に持ってたバングルをはめてくれた。
『ほら。似合うじゃん』
『……………』
『な』
『………ありがとう』
その時から、このバングルは、何よりも大切なものになった。
「これはね、俺の宝物」
手首をみつめてから、翔くんに目をやると、翔くんは嬉しそうに微笑んでた。
「……ずっとつけてるよな」
「よくみてるね(笑)」
確か、あのあと、翔くんはデザイン違いの同じブランドのものを購入したって言ってた。
その頃から、翔くんを好きだった俺は、お揃いだなって、嬉しかったものだ。
「……翔くんもあるんでしょ?つけてよ」
「お揃いなんかを一緒につけてたら、SNSがえらいことになるぞ」
「………それは、困る」
二人で笑う。
俺はバングルをはめた手で、翔くんの頬に触れ、顔を近づけた。
翔くんが、目を閉じる。
……唇がゆっくり重なりあう。
数回、お互いの柔らかい感触を楽しんで、顔を離した。
翔くんがこの上なく綺麗に微笑んでた。
「……行ってこい」
「ん。行ってくる」
俺は、笑って、カウンターから、車のキーをとり、玄関に向かった。
大切なもの。
大切な人。
離さないよ。
大事にするよ。
ずっと、ずっと。
俺のそばにいて。
End
すごく、翔くんにピッタリだと、そういう意味でかけた言葉だったのに、翔くんは、ちょっと考えてそのバングルを俺に差し出した。
『気に入ったんならやるよ』
『……え?』
『誕生日。今年はまだなにもあげてなかったろ。』
『いや、そういうつもりじゃ……』
翔くんは、にこりとして、俺の手をとり、手に持ってたバングルをはめてくれた。
『ほら。似合うじゃん』
『……………』
『な』
『………ありがとう』
その時から、このバングルは、何よりも大切なものになった。
「これはね、俺の宝物」
手首をみつめてから、翔くんに目をやると、翔くんは嬉しそうに微笑んでた。
「……ずっとつけてるよな」
「よくみてるね(笑)」
確か、あのあと、翔くんはデザイン違いの同じブランドのものを購入したって言ってた。
その頃から、翔くんを好きだった俺は、お揃いだなって、嬉しかったものだ。
「……翔くんもあるんでしょ?つけてよ」
「お揃いなんかを一緒につけてたら、SNSがえらいことになるぞ」
「………それは、困る」
二人で笑う。
俺はバングルをはめた手で、翔くんの頬に触れ、顔を近づけた。
翔くんが、目を閉じる。
……唇がゆっくり重なりあう。
数回、お互いの柔らかい感触を楽しんで、顔を離した。
翔くんがこの上なく綺麗に微笑んでた。
「……行ってこい」
「ん。行ってくる」
俺は、笑って、カウンターから、車のキーをとり、玄関に向かった。
大切なもの。
大切な人。
離さないよ。
大事にするよ。
ずっと、ずっと。
俺のそばにいて。
End