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キラキラ

第31章 イチオクノ愛

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緑の管理人side




「まーた、悪趣味な遊びしてたんですか?」


寝そべりながら、下界にいる、仲のいい相葉くんと二宮くんをニヤニヤ見ていたら、皮肉げな声がとんできた。


「……えー……だってさー、これライフワークにしたいくらい面白いんだもん」


よいしょっと起き上がって、俺のそばに立ってる人物を見上げた。
真っ白なフワフワな服をまとい、穏やかに頬笑む……二宮くんそっくりな男。

一緒に下界をのぞきこみ、彼は顔をしかめた。


「……俺そっくりなやつがいるじゃないですか……」

「ふふ。置かれる環境は違っても、顔形が似てると、なんか関係性まで似てくるものなんだね」


俺は……カズナリを抱き寄せて、膝の上にのせた。


カズナリは光を司る男。


なんかいつでもほのかに体が光っていて、それが陽だまりのような優しさで、穏やかな心になれるのだ。

カズナリは、ちょんと俺の膝にすわり、そうだ、とこちらを振り返った。


「ジュンとショウが、そろそろ暴れたがってます」

「え?……ああ……台風の季節か」


頭をガリガリかいて、めんどくせー……と呟いたら、カズナリは、くすりと笑った。


「サトシによく言っておかないと、また怒られますよ」

「いや、だってあいつら、手加減しねーんだもん」



大地を司るサトシは、いつも寝てばかりいるくせに、荒らされるとすげー怒る。

まあ、それもわかるけれど、ある程度の水がないと、大地も干からびる一方だし、緑を司る俺もヤバイことになるもんね。

水を司るジュンと、風を司るショウ。
いつもは、穏やかな二人も、この季節だけは、張り切っちゃうもんだから。


「サトシ起きてた?」

「はい」

「ジュンとショウは?」

「もうすぐここにきます」

「は?」

「一緒にサトシのとこに行ってほしいそうですよ」

「あー……そんなん二人でいけよ、もう」


言ってる間に、入り口あたりが騒がしくなってきた。


「来ましたね」


言って、立ち上がろうとするカズナリの手をひいた。


え?と、振り返ったカズナリの唇を、チュッとふさいだ。


「……マサキさん」


ほのかに赤くなり、抗議するような目をされた。




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