
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
Satoko
城の中で、俺が一番好きな場所ベスト3
1 ミヤと過ごす自室
2 カトリーナシェフのケーキが食べれる厨房
「おい。寝るならいー加減部屋にもどれよ」
「……え、やだ」
3 六の兄、ジュンイチの部屋
……ジュンイチのお小言をスルッとながして、俺は彼の部屋の長椅子のクッションに、ポスンと埋もれた。
俺のより全然大きいそれは、体ごと埋まるくらいあって、ここで昼寝するのも俺は大好きなんだよね。
「俺に、外国語教わりに来たんじゃなかったのか」
「そのつもりだったけど、お兄様のこの椅子は、寝心地がいーんだもの」
「勉強しなかったら、ミヤに怒られるぞ」
「大丈夫」
「……はは……まあ、あいつはおまえに甘いからな」
ジュンイチは、くすりと笑って、頬杖をついた。
「で。ミヤはいつ帰ってくるんだ?」
「知らない。一週間ほどで、とは言ってたけど」
ミヤが出かけて、すでに、五日ほど経過してる。
なんの連絡もないのは当たり前だと頭ではわかっているのだが……。
俺が、ぷくっと膨れて吐き捨てたら、今度こそジュンイチは声をたてて笑った。
「寂しいんだな、ようするにお前は」
俺は、うんという言葉を濁しながら、またクッションに顔を埋めた。
ミヤのお母さんは、俺の母上であるお妃についてる召し使いの長である。
笑顔の柔らかな素敵な女性で、みんな頼りにしてるその人の祖国から、母親の……つまりミヤのお婆様が危篤であるという一報が届いたのがつい先日のこと。
物心ついた頃から、父親を知らないというミヤは、大の国に来るまでは、働く母親にかわり、ずっとそのお婆様に預けられて、育てられたという。
ミヤの生い立ちは、昔に少しきいていたけれど、別の国出身だとは思わなかった。
驚いてる俺を真っ直ぐに見据え、少し泣きそうな顔で、
「一週間ほど、お暇をいただけませんか」
なんていわれたら。
……承諾するしかないじゃんか。
