
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
俺の取り扱い説明書でももらってきているのか、マリウスは完璧にカズの代わりを務めた。
いい面から、口うるさい面まで。
ちぇ……とふて寝をしようとソファに転がった俺に、マリウスはすかさず歩み寄った。
「サトコさま」
「……ん?」
「今日のディナーは、松の国のジュン王子が同席されるそうです」
「ああ……そう」
二ノ国のあのとき以来だ。
俺をかばって怪我したジュン……。
もう大丈夫なんだろうか。
じっと黙ってると、
「どうか隙をみせないように、とカズナリさまのご伝言です」
と言われ、思わず笑ってしまった。
「……そんなことまで引き継ぎしてんの?」
「はい」
マリウスが大真面目に頷く。
俺はおかしくておかしくて思わずケタケタと笑ってしまった。
「サトコさま……?」
「ふふっ……あはは」
くそー!
カズ、最高だよ!
俺は、笑いながら、今度、カズに手紙を書こうと思いたった。
心配なんでしょ?
報告するよ。
俺は元気だよって。
ちゃんと、おまえ一筋だよって。
「お茶の時間が終わったら、お召し物を着替えてください」
「わかった」
「露出の少ないワンピースをご用意してますので」
「わかったわかった(笑)」
心配性のおまえに、何度でも伝えるよ。
愛してる。
早く迎えにこいよ。
待ってるから。ずっと。
fin.
