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キラキラ

第35章 屋烏之愛


嬉しそうに頷いた松本は、俺の頬に、そっと手を添えた。


「優しくする」


その声音と、手のひらの温かさを感じながら、松本の優しい目をみつめた。

その瞳の奥には情欲の光はまだ灯ったまま。

だけど、それ以上に俺を大事にしたい、という想いが嫌というほど伝わってくる。


「……はい」

「………恥ずかしいなら、目をつぶってな?」

「……ふふ……はい」


俺がはにかむと、松本は、ふっと笑って俺のポロシャツのボタンを弾いた。

ドキドキしてると、やがて、すそをそっとたくしあげられ、外気に晒された胸に松本の唇が触れた感覚がした。

柔らかに押し当てられる唇。
時々、肌に濡れた暖かいものを感じて、体がびくっとはねる。

舐められてる、と思った瞬間、胸の粒をくるりと舌で捏ねられて、


「…………っ」


思わず声があがりそうになった。
そのまま、ちゅうっと吸われたり甘噛みされて、刺激を与えられる。
そのたびに、体が制御できないくらい、ピクピクと跳ねて。
あられもない声がでそうになり、我慢するあまり、両手で口を覆う。


「……っ……っ」


その不自然にくぐもった声に、松本が気がつき、胸から顔を離して、俺の手をそっと握った。


「声、我慢してんの……?」

「……だって」


再び、体に火がついた。
俺、このままだと女みたいに、アンアン言いそうで、怖いんだ。

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