
キラキラ
第36章 バースト10
「…潤」
柔らかな髪をそっと撫でる。
なんとなく湿ってる気がするのは、先程の風呂場での情事の名残だ。
ドライヤーを使って、音が漏れるのを避けたから、タオルでわしゃわしゃとかき混ぜてやったけど、完璧に乾いてはなかったのだろう。
髪に指をとおし、何度か頭を撫でた。
普段ならば、ここで眉が動くとか、呼吸で返事だとか、何らかのアクションがあるけれど…まぁ、予想通り、潤はピクリとも動かない。
俺は、腕を潤の肩の下に通し、ゆっくり抱き起こした。
普通の人なら、いくらなんでもここで目覚めるだろうが、さすがは潤。
人形のように力が入ってなくて。
俺にされるがままだ。
「…起きないね(笑)」
既に身支度を整えた相葉くんが、かずの横に来てくすくす笑った。
俺は、ふっと笑って腕に力をこめ、そのまま顔をゆっくり寄せた。
唇があと一センチでくっつくんじゃないかという距離で、囁く。
「……潤」
しかし、潤は、くーっと寝息をたてて眠り続けてる。
今、目を覚ましたら、怒られるんだろな、と思いながら……そっと唇をくっつけた。
相葉くんと、かず、というギャラリーが、息をつめたのがわかったけど、俺は意にも介さず、弛緩した潤の口内に、自分の舌をそのまま、深く深く捩じ込んだ。
