
キラキラ
第36章 バースト10
案の定、潤はなんの反応も示さないが、俺は周りが恥ずかしくなるくらいの水音をたてて、それはそれはしつこく口づけた。
愛情をこめて、いとおしさをこめて。
口笛が聞こえたのは、松岡さんだろうか。
小さく驚きの声をあげたのは、目が覚めた智兄だろうか。
衣擦れの音をたて、後ずさったのはかずだろうか。
相葉くんだろうか。
そんな、周りの様子を気にする余裕がある自分がなんだか笑える。
少しのけぞった潤の口が開く。
唾液をすすり、歯列をなぞり、そうやって、俺が潤の唇をあますとこなく味わってると、
「…ぅん…ぁ…?」
ようやく潤が反応を見せた。
整った眉がひそめられ、ぼんやりと瞳が開いた。
だらんとしていた体に力がこめられる。
「…おはよう」
「…ん…しょぉ…?」
甘えたような声に、苦笑する。
寝起きの潤の可愛さは破壊力抜群だ。
学校や外でみせるような雰囲気とは全然違うはず。
やばい。
こんな顔、こんな声、この場でさらすべきじゃなかった。
ひそひそと、
潤くんってこんななの?とか、潤って可愛いんだな、と外野の声が聞こえてくる。
