
キラキラ
第36章 バースト10
「怒んなよ」
「……」
腕の中で、じっとしてた潤は、しばらく黙ってから、そっと俺の胸に顔を寄せてきた。
猫みたいだ、と思いながらその背中をゆっくりさする。
「あまりにも起きないから…ってのは言い訳でさ。寝顔がかわいくてたまんなかったんだ」
俺は正直に言った。
一緒に何度も朝を共にしてるけれど、そのたびにこいつの新しい面を発見して、好きになる。
少し開いたセクシーな唇なんか、誘ってるとしか思えない…なんて言ったら、また怒られそうだから黙っておくが。
「……」
少し黙っていた潤は、ごそごそと布団をあげて、俺を中に招き入れた。
俺は、するりと、潤の隣に潜り込む。
布団の中は彼の体温で、温かい。
俺は華奢な潤の体に手を伸ばし、ぐっと抱き寄せた。
潤は、俺の胸に顔をうずめて、ぴたりとくっついてきた。
そうして、ぽつりと呟く。
「…寝ぼけてたからさ」
「ん?」
「さっき」
「……うん」
「ちゃんと…キスして」
「……おう」
俺は、少し体を離し、うつむいた潤の顎を持ち上げた。
潤んだ瞳が俺を見上げる。
その顔に微笑んでやると、潤も恥ずかしそうに笑った。
そうして、俺たちは、またゆっくりと唇を重ねた。
