無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

松本を見ると、面白くなさそうに口を引き結んでる。


……あれ


やがて、はぁ……と、ため息をついて立ち止まった松本に続いて、俺も止まった。
松本は頭をガリガリかいて口を尖らせた。
そして、じろりと俺を見た。



｢分かったか｣

｢……は、はい｣


念押しされて、慌てて頷く。


……これってもしかしたら。


｢…………なんか。予想以上に面白くねーもんだな……｣


松本がぶつぶつ呟くから、俺は、確信して、思わず笑ってしまった。


……ヤキモチだ。これ。
潤くんがヤキモチ焼いてくれてる。


俺は嬉しくなって、松本の腕にぎゅっとしがみついた。
バカだなー、って思う。
そんなわけないじゃん、と。


俺は、背伸びをして松本の耳に囁いた。


｢……潤くんが一番です｣


すると、松本は、自分の嫉妬に気がついたのか照れ臭そうにして……強気に微笑んだ。


｢あたりまえだ｣

｢ふふ……ですね｣



ヤンキーの頭のときの頼もしい顔も。
嫉妬してくれる顔も……


全部好き。




俺はそんなことを思いながら、その腕にまたぎゅっとしがみついた。



潤くん。
大好き。



fin.