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キラキラ

第38章 バースト11


Sho


洗濯物を干すために、大きなかごをもってベランダにでる。


寒ぃーな……


かじかんだ真っ赤な指で、Tシャツや靴下をひとつひとつ広げ、パタパタとしわをのばしてゆく。

男ばかりとはいえ、三人もいれば、汚れ物はそれなりにたまるものだ。

バスタオルなどは、俺はこまめに替えたい人だから、毎朝洗濯機をまわしてる。
そのせいか、我が家のベランダは常にたくさんの洗濯物がはためいてた。

俺は、かずの真っ白なトレーナーをハンガーにかけ、空を見上げた。


雪雲だろうか。
どんよりした灰色の空。


……雪……降るかなぁ……


自然に弱い大都市は、大雪になると電車はとまるわ、道路はとまるわ、で、交通機能がストップする。
会社、学校含めて、外出が難しくなるため面倒きわまりない。


寒いからあまり飛びたくないし。


「寒……寒」

手の感覚がなくなってきた。

手早くすべての洗濯物を干し終わり、やれやれ、と、掃き出し窓を開けると、ひゅうと冷気が室内に入っていく。
せっかく暖まった空気がどんどん出ていきそうで、あわてて室内に入り窓をぴったり閉めた。

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