
キラキラ
第39章 バースト12
「嬉しいわぁ。2人でお見送りなんて」
「そう?」
にこやかな母さんを見ながら、俺は、曖昧に笑ってアイスコーヒーをすすった。
失敗だ。ギリギリに来りゃよかった。
俺は、内心恨めしい目でカホを見た。
カホは、クリームソーダをうまそうに食べてる。
クリームソーダを、だ。
なんで、俺が食べたいと思ってたのを、てめぇが食ってんだ、と意味もなくムカつく。
完全な八つ当たりとわかっているが、イライラする。
だから、
「翔、このあとは?どこかいくの?」
という問いに、バカ正直に、
「いいや。もう帰るだけ」
と、つっけんどんに答えてしまい。
はっと気づいたときは、母さんが、カホを家まで送ってあげなさい的な予定をたてていて、俺は頭を抱えたくなった。
まさか、やっぱ予定がある、なんて後出しジャンケンみたいなこと言えない。
自分の発言によって、どんどん泥沼にはまっていってるような気がしてきて、俺は嫌な予感しかしなくなってきた。
