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キラキラ

第39章 バースト12


出国の時間まで1時間ほどある。

俺は駐車場から、歩きながら母さんに電話をかけた。


「もしもし?母さん?今どこ?」

『お茶飲んでるとこよ。あなたもいらっしゃい』

「わかった」


既にスーツケースなども預け、身軽になったから父さんと喫茶店に入ったという。
ちょうど喉がかわいてたから、嬉しい。
1人では頼めないクリームソーダでも食ってやろう。

そう思って、教えられた空港内の喫茶店に足を踏み入れた瞬間、俺は回れ右して帰りたくなった。

それができなかったのは、母さんとバッチリ目があってしまったからだ。

こっち、こっち!と手をあげる母さん。向かいに父さん。
その横にもう1人女性が座ってるのが見えた。


マジかよ……


もしかしなくても、あのカホって子だろう。
なんで、こんなとこにも連れてくるんだ。

腹立だしく思いながらも、それを顔に出すほど俺は子供じゃない。

ちょうどいい。
母さんたちを送り出したら、綺麗さっぱりフッてやろう。

俺は心に決めて、にこやかに3人に近づいた。

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