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キラキラ

第8章 バースト

「…………」

もう…………こいつは。

すがるような、寂しそうな、置いていかれた子供のような目をする。

だからといって、体調不良の相手に手を出す気はないぞ。

俺は、しかたねえなと、かずの柔らかな髪を優しくすいた。

「…………今日は寝ちまえ。しばらくいてやるから」

触れてる手をぎゅっと握ってやる。

「…………」

かずは、しばらく黙って俺を見つめていたが、やがてゆっくり瞼を閉じた。

規則正しい寝息になるまで、あまり時間はかからなかった。
それまで俺は、その場を動かなかった。


「かず…………」

かずの静かな寝顔をみながら思う。


どうか。
どうか少しでも。

辛いことを忘れることができますように。

たくさんの幸せを見つけることができますように。


俺は、そのためならなんだってしてやるよ…………。  
     
      

               to be continue

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