キラキラ
第8章 バースト
********************************************
O
ふと、呼ばれた気がして、パソコンから顔をあげる。
サイドボードにおかれた時計をみると、深夜一時になろうかという時間だった。
もうこんな時間か…………
欠伸をひとつして、うーん、と伸びをした。
常日頃、俺が心がけてるのは、朝食と夕食はできるだけ、全員そろって食べること。
そのため、仕事は必ず定時であがり、どうしてもというときは、家に持ち帰っている。
今日は、明日の会議に必要な資料をまとめないといけなかったのだが、…………まあこんなもんでいいだろう。
手元のファイルを閉じて、パソコンの電源をおとした。
自室をでて、廊下を挟んだ向かい側にある部屋を軽くノックする。
返事を待たずに、そっと扉をあけ、ベッドに静かに歩み寄った。
丸まった固まりに、優しく声をかけた。
「…………どうした?」
「………」
「…………かず?」
布団をそっとめくると、小さく丸まったかずが、目をあけた。
「……智さん」
「…………うん?」
「……夢を見たよ。久し振りに」
「……うん」
「…………ツライ」
「そっか…………」
よしよしと頭を撫でる。
かずは、潤んだ目で、じっと俺を見上げる。
助けを求めるように、すがり付くように………。
「…………………抱いてよ」
小さな小さな声。
俺は、静かに首をふった。
「…………明日、100%、熱がでて寝込むと分かってるやつを、抱けるかよ」
今日は、きっとチカラを使いきったのだろう。
相葉くんたちがいるときは、心配かけたくないと頑張ってたかずも、彼らが帰った直後、ほっとしたのか、脱力して、ソファから立ち上がることができなかった。
「…………大丈夫」
「大丈夫じゃねえよ。…………ほら、もう手が熱い」
力なく枕の横に置かれた華奢な手を握る。
不満そうに追ってくる視線。
それを振り切るのは、なかなか手強いのを知ってる俺は、かわりにゆっくり顔を近づけた。
半分あいたかずの薄い唇に、そっと自分のそれをおしつける。
かずの手が俺の手をきゅっと握り返してきた。
ちょっと迷って、少しだけ舌をからめた。
「…………ん…」
かずの甘い声。
…………ダメだ。これ以上は。
ちゅっというリップ音とともに、唇を離した。
O
ふと、呼ばれた気がして、パソコンから顔をあげる。
サイドボードにおかれた時計をみると、深夜一時になろうかという時間だった。
もうこんな時間か…………
欠伸をひとつして、うーん、と伸びをした。
常日頃、俺が心がけてるのは、朝食と夕食はできるだけ、全員そろって食べること。
そのため、仕事は必ず定時であがり、どうしてもというときは、家に持ち帰っている。
今日は、明日の会議に必要な資料をまとめないといけなかったのだが、…………まあこんなもんでいいだろう。
手元のファイルを閉じて、パソコンの電源をおとした。
自室をでて、廊下を挟んだ向かい側にある部屋を軽くノックする。
返事を待たずに、そっと扉をあけ、ベッドに静かに歩み寄った。
丸まった固まりに、優しく声をかけた。
「…………どうした?」
「………」
「…………かず?」
布団をそっとめくると、小さく丸まったかずが、目をあけた。
「……智さん」
「…………うん?」
「……夢を見たよ。久し振りに」
「……うん」
「…………ツライ」
「そっか…………」
よしよしと頭を撫でる。
かずは、潤んだ目で、じっと俺を見上げる。
助けを求めるように、すがり付くように………。
「…………………抱いてよ」
小さな小さな声。
俺は、静かに首をふった。
「…………明日、100%、熱がでて寝込むと分かってるやつを、抱けるかよ」
今日は、きっとチカラを使いきったのだろう。
相葉くんたちがいるときは、心配かけたくないと頑張ってたかずも、彼らが帰った直後、ほっとしたのか、脱力して、ソファから立ち上がることができなかった。
「…………大丈夫」
「大丈夫じゃねえよ。…………ほら、もう手が熱い」
力なく枕の横に置かれた華奢な手を握る。
不満そうに追ってくる視線。
それを振り切るのは、なかなか手強いのを知ってる俺は、かわりにゆっくり顔を近づけた。
半分あいたかずの薄い唇に、そっと自分のそれをおしつける。
かずの手が俺の手をきゅっと握り返してきた。
ちょっと迷って、少しだけ舌をからめた。
「…………ん…」
かずの甘い声。
…………ダメだ。これ以上は。
ちゅっというリップ音とともに、唇を離した。