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キラキラ

第10章 100パーセント


Jun



うすら寒い気がして、ふと目が覚めた。

「……」

遮光カーテンの隙間からさす光。

朝だ。

サイドボードに目をやれば、時計の針は七時すぎをさしていた。

ぼんやりした頭で今日のスケジュールを思い出す。
確か、八時半にマネージャーが迎えにくるはずで……

あげた左手で何気なく額をさわると、その手首にバングルがはまったままなのに気づく。

「あれ…………」

よくよく見れば昨夜のままの格好で、ベッドに転がっていた。
しかも、このくそ寒い季節に、ブランケット一枚だけを体に巻きつけて。

寒いはずだよ…

体を起こすと、頭の芯がズキリとした。

「……ってぇ…………」

完璧な二日酔いだった。

昨夜は、久々に芸能人ではない友達数人とあい、食事をした。
楽しくて、もう一軒、もう一軒、とハシゴして…………結局。

何軒まわったんだっけ。

と、いうよりも。俺は、いつどうやって帰った?


ぼんやりベッドに座り込んで考える。

ふと視線をめぐらすと、鞄がベッド下に落ちてた。

体を動かすとズキズキする頭に顔をしかめながら、鞄からスマホを取り出した。
アプリを開き、昨日一緒に飲んだやつらからのメッセージをひらく。

『お疲れ!楽しかった。また飲もうぜ』

『みんな帰れたかー?おやすみー』

『今、着いた。またなー』

グループトークの中でかわされてる会話。

当然のことながら、俺は、参加してないものの、メッセージがついた時間はAM3:00前後だった。

きっと俺もこれくらいの時間に家に着いたのだろう。

恐ろしいことに、まったく覚えていないけど。

俺は、画面に指を滑らし、

『昨日は、サンキュ。楽しかった。またな』

とだけ打った。

取り敢えず、風呂だ。

髪の毛もワックスがついたままだし、喫煙者がいたから、タバコのにおいも気になる。

「……?」

翔くんから、メッセージが届いてる。

あわててあけると、時間は昨夜AM 2:34。

『お疲れさま。明日、やっと一緒の仕事だな。早く会いたい。おやすみ』

「………え…?!」

なんだ、これ。

翔くん、どうしちゃったんだろ。

照れ屋な恋人は、いつもは、なかなかこんなストレートな表現なんかしてくれないのに。

でも嬉しい…………。

俺は、にやけながら、返事をうち、大慌てで、風呂場にむかった。


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