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キラキラ

第10章 100パーセント


迎えに来たマネージャーから、松本さんお酒くさいですよ、と苦言を呈され、スミマセン、と、いつもはあまり噛まないガムを口に放り込む。
二日酔いの頭痛は、取り敢えず頭痛薬で治まるのを静かに待つことにした。

ちょっと、飲み過ぎたよなあ…………

記憶が途切れるなんて失態は、若い頃以来だ。

今さらになって、無事に家に帰りついていたことに安堵する。
職業柄、問題を起こせば、即命取りになることは、痛いほど知ってる。


今日は、久々に五人揃う日だけど。

翔くんとリーダーには言わない方が無難だ。

特に、翔くんには、あきれられそうだしな。

心に決めながら楽屋の扉をあける。


「うー…………っす」

「あ、おはよ J」 

「……………………」

「…………J ?」

「…………なにしてんの?」

「なに…………って。見たまんまだけど?」

にのは、頬杖をついたまま、パサッと新聞をめくった。

…………いや、お前が、ゲームをせずに新聞読むなんて。そんなことってある?

マジうける。

笑わそうとしてんのかな、これ。


俺は、ふふっと笑って、似合わねー!って言ってやった。
すると、にのは、全くの素の顔で、きょとんとして、「なにが?」と言った。

「…………」

いや、そういう反応?


俺が、固まってると、脇にあったソファに寝そべっていた人物がもそっと動いた。 
てっきり、リーダーだと思ってたら、茶色いサラサラの髪の毛が見えて、ぎょっとする。

「んー…………あ、潤ちゃん、おはよ」

「…………雅紀?」

「ん?」


寝そべったまま、眠そうな目で、こちらを見た。

誰かさんと仕草が重なる。

…………いやいやいや。冗談だろ。
元気印な雅紀が、楽屋で寝て過ごしてるなんてありえない。

「…………具合でも悪いの?」

俺は、至極真面目にきいたのだが、雅紀は、一瞬黙ってから、ぷーっと吹き出した。

「なんでー?そう見えるー?」

ころころ笑って、ソファの背もたれに腕をおき、ん?と首をかしげる仕草が、なんだか可愛い。

可愛いけど…………なんか雅紀じゃない。

これじゃ…………まるで。

「おっはよー!」

元気に入ってきたのは、

「…………リーダー??」



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