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キラキラ

第10章 100パーセント

翔くんが、俺の足の間に割って入る。
膝裏に手をかけ、体を大きく開かされて、全身が一瞬固まった。

急激に緊張する。
少し息をのむ。

……………怖くない。

言い聞かせて。

「………入れるぞ」

翔くんが自分をおしあてて、確認するように俺の顔を見て、ふっと笑った。

「…………緊張してんなよ。力抜いてろよ?」

「……………うん」


俺は、ドキドキする気持ちを押さえながら、うなずいた。

翔くんが、ゆっくり腰を進めた。

「…………あ………ああ…っ」

指とは、全然違う固さと大きさ。
メリメリねじこまれて、思わずぎゅっと目を瞑る。
顎がのけぞる。
汗がふきだしてきた。

…なんだ、これ。

圧迫感が、すごい…………!

「…………はっ…………はっ……」

速い呼吸をくりかえし、痛みを散らしているかのような俺に気が付き、翔くんは動きをとめた。

ゆっくり俺の足から手を離す。

そして、改めて、俺の顔の横に両腕をおき、覆い被さるように顔を近づけてきた。
気配と視線を感じて、うっすらと目をあけた。


「…な………に?」

声がかすれる。

「なあ、潤。俺だけ見てろ。目瞑んな」

そういって、翔くんは、優しく、チュッとキスをした。 

「……………うん………」

「よし。……………いい子だ」

翔くんに、小さい子にするように髪の毛をゆっくり撫でられて。
なんだか、くすぐったく思い、笑みがこぼれた。

翔くんは、再び体をおこし、またゆっくり腰を進めた。

「あっ…………あ」 

「潤、目あけろって」

「あっ…………翔くん……………っ」  

「俺を見ろ」

「……………んっ」

一生懸命に、言われるまま目をあける。
翔くんが、じっとこちらを見つめてる。

「潤…………」
 
「翔く………っ…」


俺は、翔くんでいっぱいになる。

いっぱいになって。

やがて、ゆっくりと、最奥に達した。

「………入ったよ」

翔くんは、笑ってキスしてくれた。

俺も、はあっと深く呼吸をして、笑った。

翔くんと繋がった。

………すごく幸せ。

自分が、翔くんに入れるときに感じる幸せとは、ちょっと違うな。

全てを受け入れて、受け止めて、ひとつになれたこの感覚は、きっとこんな立場にならないと味わえなかった。

「また泣いてる……泣き虫」

「………うるさい」


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