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キラキラ

第12章 ほたる ~バースト2~

ふっと、空気の流れがかわった気がして。

え?

と、思ったと同時に、何かがドサリ落ちてきた。
信じられない重みと衝撃で、全身に激痛が走った。


「…………っ!!」


あまりの痛さに息もとまり、声も出せずにいたら、俺の上の塊が飛び退いた。

「ごっ…………ごめん!ごめんね!大丈夫??」

いっ…………た…………

涙をうかべながら、薄目をあけると、目の前には焦りに焦った若い学生。
茶色いサラサラの髪が印象的なイケメン。
そいつが、あわあわしながら、俺の身体をさすってくる。

なに?この人、どこから現れた??


「大丈夫?大丈夫?」


「誰だ、おまえ!」


そこへ風のような早さで飛び込んできた翔さんが、そいつをつきとばした。
正確には、チカラで弾き飛ばした。

そいつは、ドサリと離れたところに倒れたが、ぜんまい仕掛けのオモチャのように飛び起きて、今度は、「潤?!潤は!?」と、騒ぎだした。

なおもチカラを行使しようと、翔さんの髪の毛がふわりとゆらめいたのを見て、俺は、咄嗟に翔さんに抱きついた。

「待って!」

「えっ…………」

まさしく翔さんが爆発させようとしたチカラを、俺は、止めた。
翔さんが、驚くような顔をして、俺を見た。

「かず…………?!」


俺は、小刻みに首を振った。


なんか、違う。

この人、違う。

悪くない。

つか、むしろ困ってる。



俺の勢いにおされて、翔さんが、チカラをおさめた。

はあ…………と、ため息をついて、

「おい…………おまえ、どこから入ってきた?」

翔さんが、低い声で静かに問う。



その人は、それには答えず、子犬のような黒目がちの目に涙をうかべて、


「潤、来てませんか?」


と言った。



俺は、何かがかわってゆく予感がした。
この目の前で情けなく慌ててるイケメンが、新しい風を俺に持ってきた気がした。


そして、それは現実となっていく。


        
           to be continue

         

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