キラキラ
第14章 LOVE &らぶ
Masaki
収録までの待ち時間というものは、わいわいとみんなでしゃべりたおしたり、テレビを囲んだりする日もあれば、今日のように、てんでばらばらに、自分達のすべきことに没頭してすごす日もある。
ソファに寝転がってドラマの台本を読んでたら、少し離れたテーブルにいた翔ちゃんが、唐突に「なあ」と、呟いた。
さっき、松潤は別件で出ていったし、にのとリーダーは、自販機にお茶しに行った。
よって、今この部屋には翔ちゃんと俺しかいない。
なあ、の言葉が向けられた先は俺だ。
ん?と、顔をそちらに向けると、翔ちゃんは、読んでた新聞をたたんで、ぼんやりした顔をしてた。
………なんかあったのかな?
いつもの自信に満ちあふれた表情にはほど遠く、
なんだか覇気もないようにみえる。
急に気になってくる。
「……………どうしたの」
翔ちゃんは、んー………と言葉を探すようにいいよどんでいたが、やがてボソボソと口を開いた。
「あのさ。例えばの話だよ。雅紀がテレビで芸人さんとかとキスするとするじゃん。もちろん仕事でね?そのとき、にのって、どんな反応すんの?」
例えば、の話になってないよ、翔ちゃん……………。
俺は、苦笑いしてソファに横たえてた体を起こした。
くしゃくしゃの髪の毛を手ぐしで、触りながら、
「なに?こないだのオンエア?」
と聞いたら、
「ん……………まあ」
と、翔ちゃんは決まり悪げに頷いた。
キスすることを売りにしてるネタをもつ芸人さんに、今回もやられてた翔ちゃん。
ちょうど、俺は、リアルタイムでこの放送をにのと見ていた。
にのは、あーあ……と苦笑してた。
俺も、あーあ、と笑った。
そのあと、なにしゃべったっけ…………。