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じっとして動かない翔くんの舌をからめとれば、吐息とともに答えてくれる。
リードしてるのは、俺だけど、だんだん深くなるキスにあわせて、もれる水音や、翔くんの息づかいにこっちが翻弄されそうになる。
重なった部分が……熱い。


「……ん……う……」
翔くんが、俺の背中をぎゅっと、つかんだ。

俺は、最後に、一際口内を、かきまわしてから、ちゅっという音をたてて、名残惜しく唇を離した。

「…………ごちそーさま」
「……は…あ……ざけんな、おまえ……」

潤んだ目で、息を弾ませる翔くんが、異常に艶やかで。
このままだと自分が止められなくなりそうだから、もう一度キスしたくなる気持ちを、全力で我慢して、

「腰にきた？」

低く囁いた。

図星、というような表情で、翔くんが、はあっとため息をついて、よりかかってくるのを、抱きしめる。

「……んな、エロいキス、どこで覚えてくんだよ…」

「……エロいって(笑)」

俺は、もう一度、腕の中の存在を確かめるように、ぎゅっと抱き締めた。
抱き壊しそうなくらい、ぎゅっと。

「……苦しい」

「翔くん…」

「うん？」

「大好き……」、

「…………うん」

この、ようやく手にいれた温もりを絶対に離さない。

(覚悟してね……？)

俺がどれだけ本気なのか、知ってる？
どれだけ翔くんを好きなのか、分かってる？

これから、ゆっくりゆっくり教えてあげる。

だから、離さないよ？

「…………潤」

「なに？」

「……もう一度」

「え？」

下から、翔くんが唇を重ねてきた。

ー…………・！

さっきまで真っ赤な顔して、かわいかった翔くんが、艶やかに豹変してる。

……あれ。
……これ、…俺が、振り回される感じ…？


End