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キラキラ

第16章 連理之枝


Jun



「おきて。ねえ、じゅんくん。おきて」


意識の遠くで、可愛らしい声がする。
俺は、覚醒しかけた頭を、ゆるりと動かした


「じゅんくんてば」


小さな手でぺちぺちと頬を叩かれて、ゆっくり目をあけた。


「……………」


頬を叩かれて?

……………なんでだ?


「おはよう」


唐突に、至近距離に子供の顔を捉えた。


「……………」


目と耳から入った情報を、覚醒したての脳ミソで、すごい勢いで処理した。
そうして、おもわず出た言葉が。


「………………は?」


で。ある。


しかめ面で目をしぱしぱさせながら、片肘をついてぼんやりした体をおこした。



…は…………子供?



「じゅんくん……………」



ボーイソプラノで俺の名を呼ぶ子供は、見た感じ4、5歳ってとこか。


え………違う……このガキ………………どこから入ってきた?



でも、どこかでみたことあるこの顔。


色素の薄い茶色い目で、上目使いで俺を見上げるその顔は、俺の大事な人の面影があり。


つか、ちょっととがらせた口元なんか、そのものだ。


だからか、何も考えず、自然と、


「……………かず?」


と、呟いていた。


俺の傍らで、ちょんと座って困ったように笑んでる彼は、うん♥と頷いた。


「そうか…………」


うん、そうか。やっぱ、かずか。


……………ん…………ちょっと待てよ。


……………かず?


「かずっ?!」



俺は、小さな肩を両手でガシッとつかんで、思わず叫んだ。


「なんだ、おまえ。なんでそんなに縮んでんの?!」


「わかんないよ…………おきたらこうなってた」



かずは、ころころと実に楽しそうに笑った。

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