キラキラ
第16章 連理之枝
なんだ。これ。
ファンタジーじゃねえか!
ビビデバビデブーじゃねえか!
……………こんなことありえんのかよ?!
「マジで?」
俺は、焦って目の前の小さいかずをじっと見つめた。
かずは、小さくなってもやっぱり華奢で、白い。
でもほっぺただけは、プクっとしてて、そこらへんはやっぱり幼児顔だ。
スラリとしていたはずの体は、見事なまでに三頭身。
手も足も、短くてプクプクしてる。
「……………可愛いな、おまえ」
思わずぽろりと心の声が出てしまった。
かずは、一瞬目を見開いて、すぐにニコッと笑った。
「あたりまえだよ。ちいさいころは、てんしのかずくんっていわれてたんだからね」
得意気に鼻が広がってる。
仕草まで幼児だ。
「……………さようですか」
体が縮んだせいで、寝る前に着てたTシャツは、ダボダボだ。
それを邪魔そうにひきずりながら、かずは、はいはいで俺がかいてるあぐらの中に、すぽっとはいりこんできた。
そして、仔犬のように俺をじっと見上げて
「どうしようか?」
と、首をかしげた。
…………くっそ………………可愛い。
思わず笑顔になってしまうのがとめられない。
「……………おまえ、俺の反応みて楽しんでるだろ(笑)」
「だって。じゅんくんがねてるあいだに、じゅうぶんひとりでおどろいたもん。でも、どうしようもないじゃん」
言って、笑って、えいっと抱きついてきたから、ふっと笑って、その小さな体を受け止めた。
小さな子が親にするようなスキンシップ。
普段のかずはこんなこと、照れて絶対にしない。
だから、ちょっと驚くが、なんだか嬉しい。
訳わかんない事態なのに、和んでしまう。