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キラキラ

第18章 アッチノキミ

「そうだよ。潤ちゃんの都合なんか考えないのが翔ちゃんじゃん」

相葉くんと、にの、二人に断言されて、思わず苦笑いだ。

「……その言い方だと俺がすげぇ悪い男みたいだけど」


ぼそぼそ返すと、にのがすかさず、

「みたい、じゃなくて」

相葉くんが後をつぐ。

「そうなんでしょ?」

ステレオでからかってくるから、俺は、笑うしかなかった。
二人で俺を元気づけてくれるのが分かる。


ったく。この二人にはかなわねぇな。


「わっ……もう」


相葉くんの髪をくしゃくしゃかき回し、俺は、腕時計に目をおとした。

4時。

次の番組の企画の打ち合わせを終えたら、9時には潤の家に行けるはずだ。
俺は、立ち上がり荷物をまとめながら、二人に礼を言った。

「……終わったら、あいつん家に行ってみるよ。ありがとな」

二人はにっこり笑って頷いた。


***** *****


ドキドキしながら潤のマンションのエントランスに立った。
こんなに緊張するのは、つきあい始めたばかり以来かもしれない。
合鍵を使って入ることも考えたが、一応インターフォンをならす。


軽快なメロディーが、静かな空間に鳴り響く。

沈黙。

1


2


3


4


……いないか。

鞄から鍵をだしかけたとき、「…しょうくん?」
小さなスピーカーから潤の声が聞こえた。


帰ってたか。


俺が、キャップを少しだけ持ち上げ、「よう」と、顔をさらすと、「どうぞ」と、言う声と共に、分厚い扉の鍵のロックがはずれる音がした。

いつもの対応。 いつもの声音。

何らかわりはない。
最悪、会いたくない、とばかりに門前払いをくらうことも覚悟してたから、若干拍子抜けする。

なんなんだ。

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