キラキラ
第18章 アッチノキミ
Jun
体の中から.何かがずるりと出ていく感覚に、意識が戻り、ゆっくりと目をあけた。
「……潤」
至近距離に翔くんの顔。
汗がうかんだ鍛えられた体に、覆い被さられた状態のままなことに気づき、またドキリとする。
えっちの時の翔くんは、色っぽくて、カッコよくて大好き。
終わったあと、俺を心配そうにみつめる大きな瞳も大好き。
「大丈夫か……?」
俺は、クスリと笑った。
無茶苦茶に抱いといて、その顔する?というような矛盾点は、とりあえずおいといてあげる。
「……平気だよ」
翔くんは、ホッとした表情になって、微笑んだ。
俺も、にこりと笑む。
翔くんの首に腕をまわして、ぎゅっと抱き寄せたら、翔くんはゆっくり体をおとしてきた。
心地よい重さをかんじながら、さっきの濃厚な時間を思い出す。
しかし今日も、意地悪だったなあ……。
なかなかイカせてもらえなくて、思わず泣いちゃったじゃん。
翔くん、えっちの時に俺をいじめるの趣味なのかな……つくづく変態だよね。
ま…そんな翔くんが好きなんだけど。
うふふ、と笑うと、翔くんが優しく俺の髪を撫で、頬にキスしてくれた。
顎をあげて、唇を差し出すと、気がついた翔くんが唇にもキスしてくれた。
幸せ。
キッチンから寝室に移動してきて正解だった。
翔くんを不安にさせちゃったからか、ちょっといつもより激しかったもん。
キッチンでえっちしてたら、俺、腰やられてただろうな。
そもそも、翔くんに心配かけたくないから、歯が痛むことは黙ってたわけだけど、ここまで頑なに黙る予定じゃなかった。
途中からは面白がるリーダー命令だったんだよね。
俺の様子がおかしいことにいち早く気がつき、問いただされ、「オロオロする翔くんが面白いから、このまま最後まで黙ってな」と、いわれたんだ。
外野は、面白いかもしれないけど、これで翔くんが、手がつけられないくらい怒り狂ってたらどうしてくれるとこだったんだか。
「しょうくん」
「ん?」
「好き」
翔くんは、ふっと笑って、俺もだよ、と囁いてくれる。
心配性の翔くん。
振り回してごめんね。
「喉かわかねえ?」
「うん。カラカラ」
翔くんは、「待ってな」と言って素っ裸のままキッチンに歩いていった。
俺は、そんな翔くんを見送り、腰をさすりながらゆっくり起き上がった。