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キラキラ

第19章 バースト3

また、そんなことを言う……


俺は、ぶうたれた顔で昌宏さんに文句を言った。


何度も言ってるじゃん。


「だから……女の子より美人だなんて言われたって全然うれしくないってば」


すると、昌宏さんは、俺をきょとんと見つめ、前方に視線をもどし、……いたずらっぽく笑った。


「……ありゃ、どうみても野郎だ、と思うがな」


………………。


……野郎…………男?


………キス。


「ええっ?!」


がばっと起き上がった。

視線の先に、帰り際なのだろう、立ったまま談笑している二人が見えた。
幸せそうに笑ってる翔と……よく知っている細身の美形。


思わず、


「………潤?!」 


口走った。


「……なんだ、知り合いか?」


昌宏さんがおかしそうに指を指した。


「あ…最近、家によく来てる翔の友達。……え…待って。あの二人がキスしてたの?」


「おお。相手のやつ初々しいなあ。真っ赤になってたぞ」


「……」


マジで???


なんだか急にドキドキしてしまう。

なんだよ……あいつら。いつのまに。
つか、潤が着てるの翔のTシャツじゃねえか。
二人で何やってたんだよ?
着替えるようなことしたってのか?


「智……顔が赤いぞ?」


昌宏さんがからかってくる。


「なんか……よく知る相手だから、生々しくて。俺が照れるよ……」


「…………んー。可愛いこというなあ、おまえ」


顎を引き寄せられて、チュッとキスされる。


「……ん………ふうっ…」


そのまま唇を深く重ね合わされて、ほんの少しの間、目を閉じて、昌宏さんを感じた。


そうして、次に目を開いた瞬間。


路肩に停車している、俺たちの車の横を通り抜けようとしたのであろう、こちらに歩いてきてた潤と、ばっちり目があってしまった。


「!」


「!!」


うわああっ!!


焦る俺の前で、潤の姿が一瞬にしてかき消えた。


キスしてんの見られちまった!

いや、しかも跳びやがった!!
どうしよう!!
大丈夫なんだろうか?!
あいつがどこ跳んだのか確認した方がいいよね?


「……智?」


「あ…ごめん。昌宏さん。ありがとう。帰るね!」


あわてて助手席をおり、手を振りながら、俺はマンションに向かって駆け出したのであった。


翔と潤の笑顔を思いながら。

  fin.

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