キラキラ
第3章 フラワー
J
テレビの収録のひとコマ。
新曲の振り付けをやってみせて、というフリに、相葉くんが挑んで見事に間違えた。
思わず、違います、とつっこんでみる。
隣でリーダーも、違うって笑ってる。
あれ?って、慌ててる相葉くんが面白くて、俺も一緒になって笑ってると、翔くんが、その後ろで複雑な顔で笑ってた。
ピンときた。
収録終了後、楽屋で急きょ始まった、振りのレッスン。
先生は、リーダー。
「……five.six.seven.eight」
リーダーのカウントで、相葉くんとそれにつきあって、ニノが一緒に踊ってる。
「あっ!そっかー……こうか」
「そう。ここ絶対間違えたらだめ」
「……はーい」
ぶつぶつ口の中でカウントとりながら、相葉くんが復習するのを見て、ニノが笑って肩をすくめた。
「キャラだよね~、間違えて覚えてても、きっとファンの人は、可愛いって思ってくれてるよ」
「だよね。これがニノなら、どうした!!?って大騒ぎだよ」
リーダーが、細い指で髪をかきあげる。
「いや、そもそも俺、間違えねぇし」
「あは。そっか」
あははと、笑いあってる二人のそばで、翔くんがいつになく、じーっと相葉くんの動きを見てる。
と、俺の視線に気がついて曖昧に笑う。
俺は、小さく右手でオッケーマークをつくり、ん?というように、くびをかしげてみせた。
翔くんは、なんで分かんだよ…というように、コクコクと小さく頷いてみせた。
多分、翔くんも間違えて覚えてたんだろうな。
くすっと笑って、ばつが悪そうにしてる翔くんを眺める。
完璧なようにみえて、時々こういうポカする一面が、たまらなく好き。