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キラキラ

第24章 バースト5


下校時刻となった。

部活に向かう雅紀に、別れをつげ、はやる気持ちをおさえながら足早に校門をでる。

騒がしく歩いてる女子たちのグループ横を通りすぎながら、スマホを開いた。

(学校でた。今どこ?)

と、ラインしたら。

(お前ん家の前)

と返ってきて、目を剥いた。

「……は?!」

思わず立ち止まる。

慌ててそのまま、無料通話の箇所をタップする。

『うす』

電話口からご機嫌な翔の声がした。
俺は、お疲れ様、というのもすっかり忘れて、捲し立てた。

「え。俺んちの前ってどういう意味?」

『そのまんまだよ。家に帰ったら中途半端な時間だったから、直できた。早く帰って来いよ。寒い』

「そりゃそーだよ。どーせ誰もいないから、家入ってていいよ?鍵なんてすぐ開けれるでしょ?」

『そんなことできねぇよ。お前がすぐ帰ってくりゃいい話だ』

「駄目だよ、まだ学校でたとこ。……30分はかかる」

腕時計に目をおとす。
すぐに電車が来たらいいけれど。

そんな戸惑う俺をからかうように、翔は、含み笑いをした。

『……なんのためのチカラだよ。今すぐ学校もどって、物陰から跳んでこい』

「……あ、そっか」

楽しそうに促され、俺はそのままUターンした。
すぐ行く、と短くいいおいて、通話を切り、俺はリュックを担ぎ直して走り出した。

さっき、抜かした女子たちのそばを、再び高速で走り抜けた。

向かうのは、屋上。
誰もいない俺のサボり場所へ。

思わず口角があがるのをとめられず、ごほっと咳払いをしながら、校門をくぐった。

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