
キラキラ
第29章 バースト7
智兄を送り出してから、潤と二人でソファーに座り、以前に録画していた映画をつけた。
肩をそっと抱き寄せたら、素直に体を預けてきたから、そのままくっついて、お互いの体温を感じつつ、画面に意識をむける。
CMになったタイミングで、時計をみたら昼前だった。
冷蔵庫の中身を思い出しながら、潤の髪を優しく撫でた。
「昼飯何がいい?」
「……別にいらない」
「またそんなこという。怒るぞ」
「だって……腹減ってないもん」
困ったように笑う潤は、この二日で、一回り痩せたような気がする。
その儚さに、たまらずに静かに顔を近づけたら、潤ははにかんだように微笑み、目を閉じた。
チュッ……と、啄むようにキスをすると、潤の唇が少しあいて、誘うように舌をだしてきた。
俺は、きゅっとそれを絡みとり、より深く唇を重ねた。
「……ん……ん」
甘く抜ける声。
俺は体を起こし、潤に覆い被さるように、彼の頬に手を添わせ、舌をそっと差し込んだ。
潤の腕が俺の腰にまわる。
そのまま二人崩れるように、潤をソファに押し倒した。
「……しょぅ……ん」
「潤……」
ほのかに赤く染まる頬。
濡れるような大きな瞳が、俺をとらえる。
その瞳に宿るのは、少しの緊張と、まぎれもない情欲。
……でも……
「抱き合うだけ……な」
キスの合間に囁くと、潤は不満な顔をした。
分かりやすい表情の変化に、くすりと笑い、髪の毛を優しくすく。
「……挿入れたら、痛ぇと思うぞ」
あの日連れて帰って、潤の体を綺麗にしたのは俺だ。
潤の中に出しやがったやつらの体液を、狂ったように掻き出したけれど、暴力的なセックスは、潤の後ろを傷だらけにしていて。
涙が出そうになりながら、薬を塗ってやった。
その傷はまだ癒えてないはずだった。
「大丈夫だよ……」
「いやいや、ダメ」
「……お願い……シて」
「…………おまえ、その顔卑怯だわ」
笑って予防線をはるが、潤の泣きそうな顔に心が揺らぐ。
やめてくれ……止まれなくなるぞ。
鉄の意思で、そうだ。口でしてやろうか……と考えていたら、潤が下半身を押し付けてきた。
「っ……おまえ」
「………忘れたい…」
絞り出したような声に、息をのんだ。
