キラキラ
第31章 イチオクノ愛
「ベッドに行くぞ……?」
松兄が、なおもぼんやりしてるリーダーの耳もとに優しく囁き、髪の毛をそっと撫でた。
その松兄の仕草も、されるがままの幸せそうなリーダーの表情も……ああ、これほんとの恋人同士だなって、確信できるものだった。
……知らなかったよ。
こんな、身近にもうひとつカップルが存在していたなんて。
いつも優しい松兄だけど、リーダーの前だと、瞳の色が違うね。
リーダーも、メンバーの前では決してみせない甘える雰囲気を醸し出してる……。
俺は、そんな二人をただただ見つめていた。
幸せそうな人たちを見てると、こっちもなんだか嬉しくなる。
やがて、マッパの松兄は、バスローブをかけたリーダーを軽々抱き上げ、立ち上がった。
その姿がちょー男らしくて。
颯爽と寝室にむかう瞬間、松兄の首にしがみついて恥ずかしそうに微笑んでるリーダーが見えたけど、その顔は今まで一度も見たことがないくらい可愛らしいものだった。
……ちょっときゅんとした。
なーんていったら、にのちゃんに殺されるな。
……だけど。だけど。
眠そうに、怠そうにして、寝てばかりいるいつものリーダーじゃないんだもん。
俺は、二人が消えた寝室の方向をじっとみつめ、再び冷たいフローリングに寝そべった。
そーか……。
リーダーにも絶対いい人がいるって思ってたけど、松兄だったんだね。
男同士に理解があるわけも、ようやくわかったよ。
うん……お似合いだな。
そうしてる間にも、少し開かれた寝室の扉の向こうから、再び聞こえてくるリーダーの嬌声は、聞いたことがないくらい艶かしくて。
最初こそ、仲がいいななんて聞いてたけれど、だんだんまたムラムラしてきた。
二人でどんなプレイしてんだよ?!
なげーよ!
それらを深夜まで聞かされ続けた俺は、完全に寝そびれてしまい、熱い体をもてあましながらようやく眠りにつけたのは、明け方近くであった。