キラキラ
第31章 イチオクノ愛
なんか……俺のモノ硬くなってる気がする。
でも、かといって、人間みたいに手で慰めるなんてできないし……。
「あん…っ……あ」
「智………」
「んんっ……ちゅ……ん」
マジかよっ……!
しまいには、激しいキスまで始まって、この場にい続けるのは、もう限界だった。
俺は、ソファーの角にお尻をこすりつけ、原始的な方法で思わず……思わず
はあっ……んぁっ……
……出した。
犬だからすこーし出ただけだけど、ちょっと楽になった。
はぁ……やばい……
そしてそのまま一目散にキッチンの奥まで逃げた。
ここなら少しマシ。
見えないし聞こえない。
いや、ちょっと聞こえるけど。
「ああ……気持ちいいっ……」
「もっとだ」
「やあんっ……」
……ヒートアップしてるし……頼むよ。
俺は煩悩を追い出すべく、自分たちの曲をフルコーラスで歌い始めた。
熱い体がおさまるように、頭でダンスまでなぞった。
「松兄……も…イきたい…っ」
「まだだ」
切羽詰まったリーダーの声と、楽しそうな松兄の声。
ちょっと松兄!
早く、イかせてやってよー!!
俺は泣きたくなりながら、ぶつぶつひたすら歌った。
やがて。
「お。おまえこんなとこいたのか」
スッキリした顔でビールを出してる松兄に声をかけられ、我にかえる。
……お、終わったの……?
全裸で、ビールを二缶手にした松兄は、ニヤリと笑って、ひとつプルをあけて一気飲みした。
ぷへーうまっ、と呟き、カンと音をたてて、その空き缶をシンクにおき、もうひとつのプルをあけながら、松兄が歩いて行く。
「智。飲むか」
「……んー」
気だるい返事が聞こえて。
ちょっとだけ気になり、そっとのぞきにいったら、リーダーは、ソファーでグッタリ横になっていた。
松兄が着ていたバスローブをかけられ、乱れた前髪からみえるぼんやりした顔は、見たことないくらいの強烈な色気を放ってて、俺はドキリとする。
リーダーって……こういう顔もするんだね。
いっつも眠そうな顔と面倒くさそうな顔しかみてないから、意外。
そんなリーダーは、松兄に口移しでビールを飲ませてもらってる。
こんなの……飲んで終わりじゃないよね、絶対。
こりゃ、もう一戦あるな……。
俺は、はぁと天を仰いだ。