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影に抱かれて

第13章 再生

「好きにさせればいいさ。どのみち、これぐらいの金は僕がすぐに取り戻してみせるからね」

とジュールはまるで意に介さない。自信に溢れ、今や小さなことでは動じないのだ。

……リュヌを再び手に入れたジュールは上機嫌だった。

夫人とジュールの挨拶のあと午餐会が始まり、リュヌは目立たないように部屋の隅に控える。ジュールは主賓であるモンフィール侯爵父娘とそつなく談笑をしていた。

しかし、食事がすべて出終わった頃、突然夫人が前に立った。

「皆様にはここで、もうひとつおめでたいご報告をさせていただきたいと思います」

唐突な言葉に、そこにいる全員が話を止めて夫人の方を見た。

「実は本日もここにいらしてくださっているモンフィール侯爵家のパトリシア様と、ジュールが婚約をさせていただく運びとなりました。主人もきっと神のみもとで喜んでくれていると思いますわ」

まさか、突然……

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