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影に抱かれて

第3章 嵐の午後

ジュールの指がシャツの胸元に滑ると、その爪先は、尖った部分を優しく掻くように動く。

「……あっ……」

思わず声を出したリュヌの唇が、ジュールの唇で荒々しくふさがれる。
大きく包まれ、そして舌先でこじ開けられると……雨に濡れた唇は冷たいはずなのに、ぬるりと侵入したジュールの舌は焼けるように熱かった。

そしてその初めての感触に、リュヌは自らの身体に本当に稲妻が走ったのかと思っていた。

「んぐっ……ん……あぁ……」

一度では無かった。
稲妻のような衝撃が身体を何度も駆け抜ける……

そしてその度に、リュヌは下半身の一部がどんどん強張って行くのを感じる。

「怖くないよ……リュヌ」

それは稲妻のことなのか……それとも、この自分の身体に起きている変化のことなのか。

リュヌには分からなかったが、ジュールの指先がズボンのボタンに掛かった時に感じたのは、それをずっと焦がれていたかのような不思議な高揚感だった。

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