テキストサイズ

影に抱かれて

第5章 甘く、苦い……

「リュヌっ……!」

大きな声を上げたジュールが一瞬強く手を握りしめてくれたが、リュヌが我に返った時にはもうその手は離れ……使用人たちに囲まれ連れ去られてしまうところだった。

ジュールが閉じ込められてしまう……

自分のことよりもジュールを案ずるリュヌだったが、これから自分には酷い罰が待っているのかもしれない。

伯爵家の一人息子にした破廉恥な行為は許される訳がなかった。

一方的に口淫していたのはジュールだが、そんなことは怒りに青ざめる夫人にとっては関係のないことだった。

全てはリュヌが悪いに決まっている……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ