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影に抱かれて

第7章 花の蜜

「……気にしてないよ。だってドゥルーは知らなかったんでしょう? 」

ジュールとの行為を思い出した身体が疼き、全身が燃えるように熱くなっているリュヌだったが、気取られないようにと無理に笑顔を作る。

「うん。でも……気にしてないって本当? 僕はかなりドキドキしてしまったよ……リュヌはどうだったの? あれを見て、どう思った?」

とドゥルーはリュヌの表情を探るように見ながら質問したが、リュヌはどう答えていいか分からない。

自分は……女性の身体には何も感じなかった。ただジュールが恋しくなっただけだ。

その事実を頭の中で反芻して何も答えられないリュヌを、ドゥルーはただ見つめていた。

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