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影に抱かれて

第8章 心のままに

そんな日常の中で、ある朝……唇に触れる何かの感触でリュヌは目覚めていた。

目の前にはドゥルーの顔。
先ほど唇に触れたのは、ドゥルーの唇だったのだ。

飛び起き、ベッドに腰掛けたまま動揺を見せるリュヌ。

しかし、ドゥルーにとっては覚悟の上の行動だったのだろう。真っ直ぐにリュヌを見つめたまま床に跪いた。

「リュヌ、僕は……」

ドゥルーの大きな掌がリュヌの手を包み込む。

突然のキスの後に続く言葉……

それが何かを想像したつもりはないのに、リュヌの鼓動は自然と早くなっていた。

ドゥルーは何を告白するのだろう……

しかし、続いてドゥルーが発した言葉は、リュヌが予想もできない言葉だった。

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