一途とは
第4章 ごめん。
ひとしきり、二人で笑い合うと
なんだか、空気が元に戻り、落ち着いた
だが、まだ、山口tは諦めていなかった
山口tは「もう一度今度の授業で説明します」と言い出したのだ
それと同時に終わりのチャイムが鳴った。
「あ…」
と私が言うと
「ちょっと頭をリセットさせてきてください。
また説明するんで」
とまっすぐこちらを見て言った
「…はい…ごめんなさい……」
それから少し間があって、ぽつりと言った
「生徒をこんなに怒るのは何年ぶりだろう」
ちょっと笑っていた
「こんなに怒ることないんですけどね…」
考えながら言った
私はどういう顔で言えばいいか分からず、苦笑いで「そうなんですか……」と言ってしまった
「珍しいよ」
と、ドヤ顔で言うと、報告ノートを私に渡し、パイプ椅子を片付けて一緒に、下にある受付に降りた
その間、二人は無言気味だったが
山口tはひたすら、いやー…何年ぶりだろうと言っている
それを聞いて申し訳なくなった私は
「ごめんなさい……本当に私のせいで、分からず屋で、山口tを怒らしてしまって…」
と言うと、思わぬ一言が返ってきた。
「…違うでしょう?
浅黄さんをなんとか助けようと、必死だったんでしょ?」
その後に続く言葉は
おそらく
だからあんなに怒ったんでしょ?
だろう