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第3章 あいわな A×N
N side
ただ会いたい。
決意をして、携帯を握りしめたまま
もうどれくらい時間がたっただろう。
相葉さんと会えなくて、もう2週間が
経とうとしているところ。
仕事場では会えてるけど、
プライベートではまったく。
会いたいなんて変な話だ。
メンバー同士ってだけで、
そんなことを考えてるなんて。
こんなこと、言える訳がない。
だけど俺の心は正直で。
会いたいって叫んでる。
「…どうしたもんかな…。」
ちらっと横目で時計を見る。
まだ午後の8時を回ったところ。
時間的には問題ない。
今日、相葉さんはオフだって言ってた。
スケジュール的にも問題はない。
相葉さんが家にいたら、の話だけど。
でもまぁ、いると思う。
これは何となく。俺の勘。
握りっぱなしの携帯。
送れないたった一言。
『今から行ってもいい?』 それだけ。
だって、色々考えちゃうでしょ?
変に思われないかな、とか。
本当に家にいんのかな、とか。
「変なの、俺。」
だけど、こんな時間もいいんだ。
相葉さんのことを考えられる時間。
振り回されてんなぁ、俺。
「とにかく送ればいいや。」
ダメならその時考えようと、
ダメ元で送信してやった。