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第3章 あいわな A×N
堪らなく会いたくなって。
今日もまた、俺は相葉さんの
家へと向かう。
変わったことは特にない。
強いていえば、友達から恋人になったって
ことぐらいかな。
『今から行くから。』
そう送ったメールの返信には、
『じゃあ、生姜焼き作って待ってるね。』
ハートマークが見えそうな返事。
バカだなーって思うけど、
それ以上に愛されていると感じる。
「また生姜焼きなんだよな…。」
俺たちの記念日の味だからって、
家に行くと、4か5回に1回は生姜焼き。
だけどそれも嫌じゃないのは、
きっと相葉さんだからだ。
インターフォンを鳴らせば、
すぐに相葉さんはやって来る。
玄関のドアは勝手に開いて、
相葉さんが中からひょっこりと覗く。
「ふふ、和だぁ…。」
「早く入れなさいよ。」
「はい、どうぞ。」
2人で廊下を並んで歩くのも
もう慣れたことだったけど、
恋人として、となるとまた違う。
あの時、会いたいと思えてよかった。
メールを送ってよかった。
車に飛び込んでよかった。
相葉さんが俺を迎えてくれてよかった。
I wanna see you.
Hold me baby.
Smile me baby.
「大好き。」
ひとりでに出た呟きを
相葉さんが聞こえたかは分からない。
でも満面の笑みの相葉さんを見てると、
恥ずかしくなる。
だって、
「俺も好き。」
ね?
-end-