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第4章 可愛いアイツと N×A





N side


あれだけ暑かった今年も夏も
ずいぶんと落ちついて、もう夜は冷える。


「あっちー…。」


そんなことを知ってるのか知らないのか、
雅紀ははいつでも体をちゃんと拭かないで
風呂から上がってくる。


「なんで服来てこないわけ?」
「だって暑いんだもん。」
「それで何回体冷やしてんのよ。」
「…ごめん。」


いつもなら、

「えー、いいじゃーん。」とか
そんな返事が返ってくるのに。

今日はヤケに素直。
何かあったに違いないな。

でも雅紀はきっと、問いただしても
何も言わないと分かってるから。

あえて見守ってみることにする。


髪の毛からは、ポタポタと水が落ちる。

顔は程よく赤くなって、
思わず見蕩れてしまうほどだ。


だからお風呂上がりの雅紀は嫌だ。

何もしなくても色気を放って、
こんなにも俺を惑わせるから。


渋々といった感じで雅紀は服を着た。

でも、持ってきた服は
がっつり鎖骨のラインが開いている服。

お腹の丈も少し短くて、動けば
チラリと綺麗に割れた腹筋が見えた。


「なぁ、雅紀…。」
「ん?何?」

心なしか嬉しそうな声と表情。


「バカか、お前は。
もっとちゃんと体を温めてくれそうな
露出の少ないの、持ってこい!」


じゃないと俺が耐えらんない、なんて
絶対に言えないけど。

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