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第4章 可愛いアイツと N×A
俺の腕の中で、じっとしたままの雅紀。
吐息が首筋を優しく擽ってる。
そんなことされちゃ、堪んないよ…。
そういえば、ヤケに雅紀は大人しい。
「ねぇ、雅紀?」
「…ん?」
「あ、起きてた。」
「なにそれ。」
「寝たのかと思ったんだよ。」
起きてるもん…って、顔を見せないまま
耳元から声だけが聞こえる。
眠たいのか、いつもより声が甘くて
呂律も怪しい。
「もう寝ないと。
俺はお風呂行かなきゃいけないし。
雅紀、明日も早いんでしょ?」
「うん…。」
返事はするけど離れようとしない。
むしろさっきよりも強い力で
抱きしめられている。
離れないでって。
行かないでって言われてるみたいで…。
相変わらず、首筋は擽ったい。
雅紀の鼓動が密着させた肌から伝わる。
さっき反応しかけてた俺のムスコが、
またむくむくと起き上がろうとしてる。
「ねぇ、雅紀。ほら。」
「んー…。」
明日はロケで地方だから、朝が早い。
昨日も個人の番組の収録で早かった。
一昨日は俺が早く出なきゃいけなくて。
その前は全員の仕事で早くて。
その前の前は、雅紀が早くて…。
その前もその前も…。
ここ最近、まともな休みがない。
完璧にすれ違いの生活だったことに
気付かされる。
ああ…。これ、甘えてるのかな。