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第5章 病は気から N×A





「ねぇねぇ、翔ちゃん!」
「んー?」
「これ見て!ねぇ、見て!」
「分かった分かった。」


楽屋で肩を寄せあって、
小さなスマホの画面を顔をくっつけて見てる。


翔さんも渋々って感じで新聞を
おいてるフリをしてるけど、

顔が緩んでるの、バレバレですよ?


たぶん、翔さんは相葉さんが好きだ。

きっと俺と同じような気持ちを
持っていると思う。

じゃなきゃあんなにくっつかないでしょ?

忙しいのに、わざわざ新聞読む手を
止めてまでくっつかないでしょ?


「はぁ…。」


ライバルは強敵。
どうしたもんかと頭をひねる。


今までの恋敵は、みんな女だった。

あの人モテるから。

寄せ付けないように追いやった努力は
計り知れないと、自分でも思う。

それが今や、男までも魅力してて…。


俺もその中のひとり。

ただそれだけ。
まだそれだけ。


ずっと2人の笑い声が聞こえてくる。


はっきり言って人は人、自分は自分。

そのスタンスは変わらないけど、
だけどどうしても気になる。


誰にも負けないこの思いを、
誰よりも先に伝えたいと思うのに。

自分だけに相葉さんの気持ちが
向いてくれればいいなと思うのに。


「どうしたもんかな…。」
「何?悩み事?」


パッと後ろを向けば、潤くんと大野さんの姿。

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