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第7章 背伸び A×N




N side


相葉さんの背は、俺よりも
少しだけ高い。

…っていうのは嘘で。
7センチほど相葉さんの方が高い。

7センチだよ?7センチ。


これだけ身長差があれば、
なかなか苦労も耐えない訳で。


「かず、やばい!遅刻する!」
「俺が起こした時に、ちゃんと起きないから
そういう事になるんでしょ?」
「うううう!やばいよ!」


慌ただしくリビングとクローゼットを
行き来しては、バタバタしてる。

そんな相葉さんを、悠長に眺める俺。


食パン咥えて準備するって…。
そんなどこかのドラマのようなことをしてる。

それを見てたらおかしくなっちゃって、
ついつい笑ってしまう。


「もう!笑ってないで助けて!」
「助けるって、何助けんのよ。」


食パンをいちいち口から出して
喋るもんだから、手は動かないし
ご飯も食べられてないじゃん。

ほんと、何やってんだか。


「ネクタイ結べないよー…。」


クローゼットのある寝室から出てきた
相葉さんは、いつものスーツに身を包んで
すっかり身支度が整ってる。


…もうちょっと寝癖のある髪、
見てたかったのにな…。

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