STORIES
第8章 Happy Birthday AN×O
O side
「「智!」」
「んん?」
もう寝ようかとベッドに入ったのに、
何だか耳元で大声を出されて、
その上体を揺さぶられて目が覚めた。
俺だって、
ここまでされちゃさすがに起きるわ。
「もー…。何なんだよー…。」
「ふふ。その調子じゃ覚えてなさそうだね。」
「ほんとそうだね!」
俺を置いて、2人でキャッキャと
笑いあってるから、腹が立って
「俺、寝るから。」
布団をグリンっと頭から被って、
きつく手で端を握った。
すると、頭の上から
「ああ!ごめん!」
って慌てた声で謝る声が聞こえる。
「意地悪しすぎだよ。」
「えー?俺?ってか、意地悪したっけ?
って、それは和でしょ?」
そんな会話が聞こえてきて、
ほんのちょっと笑って、少しだけ機嫌が
よくなってる自分が悔しい。
その温かい雰囲気の中に、俺も交じりたくて、
顔をにゅっと出そうとしたら、
「あ、智が出てきそう。」
「ほんとだ。
でも、もうちょっとそのままでいてね?」
頭をまた布団の中に押し込まれてしまった。
もう何なんだよ!
もう知らない。寝てやる。
半泣きになりながら、ぎゅっと
目を瞑ってやった。