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第9章 そんな君がやっぱり好き A×N
A side
ベッドから起きた時、横を見ると
もうそこはもぬけの殻。
オフだから、もうちょっと寝てると
思ったのに。
あの可愛い寝顔を堪能出来るー!とか
思ってたのに…。
なんて独りでブツブツ言いながら、
ベッドから足を下ろす。
若干重たい足でリビングに向かうと、
近づくほどに大きくなってくるメロディ。
「…和の声だ。」
離れてても分かる。
どんだけ小さい声だったって分かる。
透き通った優しい声。
リビングへのドアを開けると、
鼻歌混じりにキッチンに立ってる和の姿。
るんるんでフライパンなんて持っちゃって、
楽しそうに料理してる。
まだ俺の方には気が付いてないみたいで、
「もうそろそろ起こさないとなぁ…。
でもオフだし、もうちょっと寝たいかな。
でも一緒にいたいしなぁ…。
…ふふ。奥さんみたい。」
顔をぽっと赤らめて、
最高にとろけた顔をしてる和。
…鼻血出るかと思ったーーっ!!
やばい。可愛すぎる。
何であんなに上機嫌なのかは分かんないけど
でも可愛すぎる…。