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第9章 そんな君がやっぱり好き A×N





さっきまでとは打って変わってな態度に、


「…あ、夢か。」
「夢かって…。

鼻血出すってどんな夢見てんのよ。」


呆れた顔で、俺にティッシュを数枚渡すと
ため息をついてる。


「和がすんごい可愛かった夢。」
「悪かったな。現実は可愛くなくて。」


ふいっと可愛いく唇を尖らせて、
そっぽ向いてしまった。

…そういうのも可愛いんだけどなぁ。


「可愛くない。」
「え?」
「丸聞こえ。口に出てる。」


俺の方が恥ずかしいよって、
布団を頭から被ってしまった。


「もー、和。」
「何。」
「そんな事しても可愛いだけだから、
出てきてよ。」
「…。」
「かぁーず。」


名前を呼べば、渋々っていう体の
嬉しそうな和がひょこっと顔を出す。


…やっぱり可愛いよ。


「だから声に出てんだよ…。」


顔を真っ赤にして俺を睨んでる。


やっぱりこっちの和がしっくり来るなぁ。


そりゃあ素直な和だって可愛いよ?

えっちの時におねだりしてくる和とか
そりゃーもう堪んない。


でもこっちがいいんだよ。

俺の事が好きって、溢れてんのに
口には出さないいじらしい感じが可愛い。

こんなこと言ったら、

「変態!悪趣味!」

とかなんとか言って、罵られそうだから
言えないけど。


でも、そんな俺が好きなんでしょ?

俺も大好きだよ。


いや。俺の方が、


「大好きだよ。」

「…ばぁか。」



-end-

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