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第11章 恋は戦場 S vs N × A
恋は戦場だ。
想いが交錯して、迷って、足掻いて
分からなくなって。
苦しいし。
悲しい事だってある。
やめたい時もある。
それでも人は、恋することをやめない。
想う誰かと寄り添って道を進むために、
その隣を奪い合い、戦う。
必ずしもゴールは、勝ちと負けだけではない。
その結末は実に様々だ。
もし俺たちが、この戦場で勝敗だけに
目を向けていたとすれば、
きっと自分の想いには気が付かなかった。
「俺たち、変な始まり方だよな。」
「まぁ、有りなんじゃないですか?」
「相葉の事が好きなんじゃないのか?」
「櫻井さんこそ。」
「俺は二宮が好きだ。」
「俺だって櫻井さんが好きです。」
「なぁ。」
「はい?」
「相葉、気付いてたんじゃないか?」
「何を?」
「俺たちが、相葉じゃなくてお互いを
好きだって事。」
「まさか。あの相葉が?」
「…だよなぁ。」
「へっくしゅっ。
…花粉かぁ。
あーあ、2人とも帰っちゃった。
早く気付けばいいのになぁ。
2人とも、俺じゃなくって、お互いの事
ばっかり意識して気にしてたクセに。」
「まーさき。手が止まってる。」
「いーじゃん。今他にいないんだから。」
「俺がいるじゃん。」
「空気みたいなもんじゃん。」
「ひどくない?」
「ないと生きてけないって事。
あー、もう今日は帰ろーっと。」
「あ、こら!待て!誤魔化すな!
ってか仕事は!?」
-end-