テキストサイズ

sugar-holic2

第8章  疑惑が確信に変わる時

「亮くん、起きて。5時だよ?」

「ん…ぁ、時間…?」

ソファーで眠っていた亮くんが、モゾモゾと動く。

起き上がって大きなあくびをするも、目は閉じたままだ。

「眠い?」

「ん…へーき」

もう一度大きなあくびをして、開かれた目の縁は涙で濡れていた。

「顔洗う?シャッキリするかも」

「ん…洗面所借りていい?」

いつもは少し意地悪そうに見える切れ長のつり目が、とろんとしてるのが妙に可愛い。

「うん、こっち」

洗面所に連れていき、タオルを渡す。

顔を洗っている後ろ姿に向かって声をかけた。

「亮くん、ありがとね」

笑顔でお礼を言うと、タオルで顔を拭いている亮くんと、鏡越しに目があった。

「いやいや、貴重な体験させてもらったし」

亮くんがニンマリ笑いを向けてきた。

「…それも含めて、ありがと」

少しだけ恨みを込めて亮くんを睨む。

「自信ついた?」

「ん…正直、まだ不安」

弱音を吐くと、亮くんが小さく笑った。

「大丈夫。気にしすぎなんだよ。問題なんて何もないから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ